シングルマザーの遺族年金

シングルマザーの方が、もし自分に何かあった場合に子どもたちにどのくらいの保障があるのか不安に思いご相談に来られました。

 

ご相談者DATA

相談者  会社員 女性 38歳

家族構成 長男 15歳

次男 12歳

相談内容

シングルマザーのご相談者様は、自分にもしものことがあった時の子どもたちのことをとても心配していらっしゃいます。下のお子さんが高校を卒業するまで、あと7年ほどあります。収入から考えても生命保険に沢山のお金はかけられません。遺族年金はどのくらいもらえるのか、もしもの時はどのように手続きをするのか。子どもたちにどのように話しておくといいのか、教えて欲しいとのことです。

ご相談でお話しした内容

遺族年金には、国民年金からの遺族基礎年金と厚生年金からの遺族厚生年金があります。

ご相談者様は会社員でいらっしゃるので、厚生年金に加入していますから遺族基礎年金と遺族厚生年金を受け取ることができます。

ただし、受給するのにはどちらも要件(条件)があります。

 

遺族基礎年金

支給要件とは

国民年金加入中の方、もしくは加入期間が25年以上ある方が亡くなった時に受給できます。ただし、亡くなった方が加入期間の3分の2以上保険料を納付済みであることが条件になります。

また、特例措置として、平成38年4月1日までに65歳未満の方が亡くなった場合は、亡くなった月の前々月までの1年間の保険料に未納がなければ、加入期間の3分の2以上保険料を納付済みでなくても遺族基礎年金を受給すことができます。

支給対象となる方

誰が受給するのかは、亡くなった方に生計を維持されていた①子のある配偶者②子です。

子とは、18歳に達した年度末(3月31日)を過ぎていない子、または20歳未満で障害年金の障害等級1級又は2級の子です。

 

年金額

もらえる年金額は、老齢基礎年金満額に子の加算です。

この加算は、第1子・第2子は各224,300円。

第3子以降は各74,800となっています。

例えば、平成30年度の老齢基礎年金満額は779,300円なので、子どもが2人の場合は、

779,300円+224,300円+224,300円=1,227,900円

年額1,227,900円の支給になります。

※老齢基礎年金満額は毎年見直されます。

 

ご相談者様の場合、年金保険料の未納期間がないので要件はクリアしています。

お子様もお2人とも生計を維持されている18歳未満ですから、支給対象者になります。

子の加算は第1子・第2子の加算になります。

ご長男が18歳に達した最初の3月31日を過ぎると、ご長男の加算はなくなり1人分の加算になります。

 

下図のようなイメージです。

(筆者作成)

請求の方法については、ご相談者様は厚生年金に加入していらっしゃいますので、遺族厚生年金と一緒に請求することになります。

先に遺族厚生年金についてご説明させていただきます。

遺族厚生年金

支給要件とは

  • 厚生年金の被保険者(加入者)が亡くなった時。または被保険者期間中に病気やケガで診療を受け、その傷病が原因で初診日から5年以内に亡くなった時。初診日の後に、会社(厚生年金加入者)を辞めて被保険者でなくなっても、初診の日が会社員(厚生年金加入者)であれば大丈夫です。

ただし、国民年金加入期間の3分の2以上の保険料納付済み期間が必要です。

※平成38年4月1日前までに65歳未満の方が亡くなった場合は、亡くなった月の前々月までの1年間の保険料に未納がなければ、3分の2以上の保険料納付済み期間がなくても遺族厚生年金を受けることができます。

  • 国民年金、厚生年金合わせて25年以上保険料の納付がある方が亡くなった時。
  • 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる方が亡くなった時。

支給対象となる方

亡くなった方に生計を維持されていた

・妻(30歳未満の子どものいない妻は、5年間の有期給付になります。)

・18歳になった最初の年度末を過ぎていない子または孫

(障害年金の障害等級が1級・2級の方は20歳未満まで)

・55歳以上の夫、父母、祖父母(支給開始は60歳から。ただし、夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できます。)

年金額

{平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数+

平均標準報酬月額×5.481/1000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数}×4分の3

これを簡単におおよその金額を出す計算をする時にねんきん定期便を使います。

(出典元:日本年金機構HP)

赤枠の中に記載されている数字を使います

1.はこれまでの年金加入期間で、2.はこれまでの加入実績に応じた年金額です。

例えば、1.180か月 2.350,000円と記載されている場合

350,000円×=262,500円になります。

しかし、1.が300か月(25年)ない場合には短期要件と呼び、計算式は次の通りになります。

350,000円÷180(年金加入期間)×300×4分の3=437,500円

ご相談者様の場合にもまだ300か月の加入期間がないので、短期要件が適用された計算式でおおよその遺族厚生年金の金額を出すことができます。

先ほどの遺族基礎年金と合わせて下のお子さんが18歳になった最初の3月末日まで遺族厚生年金が支給されます。

(筆者作成)

このようなイメージになります。

長男のお子さんが18歳になるまでは年額1,665,400円、その後次男のお子さんが18歳になるまで年額1,441,100円になります。

もし、長男のお子さんが大学生になっている時は、長男は遺族年金を受給できません。

お子さんが独立するまでに万が一のことがあった場合の遺族年金が分かりましたので、足りない部分がみえてきました。

 

国の保障はほとんどの場合、請求をしないと受け取ることができません。子どもたちにも万が一の時の手続きを教えておかなければなりません。

遺族年金の請求方法

請求する場所は、お住いの近くの年金事務所になります。

請求書は年金事務所の窓口か日本年金機構HPから「年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)様式第105号」をダウンロードすることもできます。

 

必要な書類

  • 年金手帳
  • 戸籍謄本(記載事項証明書)
  • 世帯全員の住民票の写し
  • 死亡者の住民票の除票(世帯全員の住民票の写しに含まれている場合は不要)
  • 子の収入が確認できる書類(義務教育終了前は不要、高校在学中は学生証など)
  • 市区町村に提出して死亡診断書のコピーまたは死亡届の記載事項証明書
  • 受取先金融機関の通帳等(本人名義)
  • 印鑑(認印可)

その他、交通事故の場合などは事故の証明書などが必要になってきます。

 

お子さんには、請求方法とお住いから近くの年金事務所の場所のメモを年金手帳と一緒にして保管場所を教えておいた方が良いでしょう。

また、ご相談者様のご両親にも子どもたちに伝えてある旨のお話をされておいた方が安心できると思います。

まとめ

ねんきん定期便を使って、遺族年金がどのくらい受給できるのか理解していただけました。足りない部分も分かり、民間の生命保険も無駄にいっぱい入らなくて済みそうです。

子どもたちが未成年のうちに万が一のことがあった場合は、実家のご両親に面倒を見てもらうことになるので、ご両親と話し合うことにしました。ご両親にお願いすることになっても、子どもたちの生活費や教育費は残してあげないとなりません。子どもたちが独立するまではそういったお金の管理もお願いすることになりますから、普段から話し合っておくことが大事だとおっしゃっていただけました。

次回は、ご両親と話し合った後で、足りない部分の優先順位は何か、それを何で補うのかを決めていくことになりました。

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